
脂質で読み解くスキンケア(1)

あなたの肌は「あぶら」に守られている
お肌と「あぶら(脂質)」の切ってもきれない関係をご存じですか?日本は、世界一の乾燥肌・敏感肌大国といわれています。湿度が高い土地柄ときれい好きの民族性から、「あぶら」を嫌う傾向があり、誤ったスキンケアが浸透してしまっているのです。
「あぶら」こそ進化の原動力
人間の身体の60〜70%は水分、「水は命の源」とよくいわれます。それに対する「あぶら(脂質)」は、「太るもと」「肥満の象徴」として、マイナスイメージが先行していますが、じつに生物進化の原動力といえるほど重要で、身体やお肌に欠かせないものであることはほとんど知られていません。
何十億年もの昔、生物は海(水中)でしか生きられませんでした。それが細胞の突然変異によって、体内の水分を油(脂質)で覆うことが可能になり、初めて地上生物が誕生しました。
この脂質による保湿システムこそ、生物の進化を決定づけたのです。もし生き物が脂質で覆われていないと、あっという間に体内の水分が奪われ、干物になってしまいます。私たちの身体は、常に全身の細胞間脂質が、水分をたくわえることで生きているのです。
ところが、乾燥肌や敏感肌は、そんな干物状態が局地的に起こっていること、つまり細胞間脂質がうまく機能しなくなっている状態といえます(ひどい場合には表面の皮脂が失われていることもあります)。
うるおいキープの鍵は、細胞間脂質
肌の表面を覆っているのは、角質層と呼ばれる、厚さわずか0.02mm(表皮は0.2mm)の薄い層。でもこの角質層には、角質細胞がなんと10〜15層もレンガ状に積み重なってできています。
この角質細胞のすき間をみたしているのが、前述の細胞間脂質(セラミドやコレステロールエステルなど)です。水分としっかり結びついて、私たちの体内から水分が蒸発されるのを防いでくれたり、外からの刺激が侵入するのを防いだりしています。ところが、この細胞間脂質が減ってきて角質細胞の間にすきまができると、さまざまな刺激に敏感になり、水分も逃げていきやすくなってしまいます。
そして、敏感肌や肌あれ、ドライスキンやアトピックスキンへと発展していくのです。
オイルフリーの水ケアは乾燥肌・敏感肌への第一歩
じつに、そんな乾燥肌・敏感肌を生んでいる原因のひとつに、「オイルフリー」のスキンケアが挙げられます。
化粧水を使えば肌がぷるんとするのは、じつは、ほとんどが皮膚がふやけているだけの状態。「お肌にうるおいを」とばかりにどんどん水(水溶性成分)を与えていたら、水分濃度があがってしまいます。同時に細胞が水でゆるんでピンホールができ、結果として、中の水が抜け、外の刺激が入ってしまうことになります。「ちゃんとケアしているのによけい乾燥肌になってしまった」という人が急増しているのは、このような背景なのです。
当たり前のことですが、ほんとうの保湿とは、肌に水を与えることでなく、水を逃さない肌をつくること。それは、水分の放出をくいとめる「あぶら」しかできない芸当です。
脂質を取り入れた本当のスキンケアを
しかし、多くのスキンケア製品は、この大切な「あぶら」=脂質を入れていません。そもそも肌は、
水にとける潤い成分=NMF(天然保湿因子)
水を逃がさない潤い成分=細胞間脂質(セラミドなど)
皮膚の表面で物理的油膜材として働く成分=皮脂
この三つによって潤い(適度な水分濃度)が保たれているのですが、一般に「オイルフリー」と呼ばれている化粧水の多くは、NMF成分だけで作られています(そのためとても安価に製造できます)。これでは前述のように、乾燥を助長することにもなりかねないのです。「あぶらっぽい」「オイリー」のネガティブイメージを逆手にとった「ノンオイリー」の宣伝コピーが見受けられますが、そもそも「オイリー肌」とは、一般的に脂質ではなく、表面の皮脂に油分が多いことからきています。
脂質とは、水をはじく、ぎとぎと、べとべとの油ではなく、見た目は水溶性で、皮膚に吸収されやすい成分です。γ-リノレン酸は、数ある脂肪酸の中でも、細胞膜に取り込まれやすく、細胞の柔軟性と弾力性をアップさせる作用があります。そして、分子レベルで水分蒸散を抑え、皮膚の保湿力を高めます。
γ-リノレン酸をはじめとした脂質のスキンケアでお肌のバランスを取り戻し、あなた自身が持っている本来の美しさを取り戻してみませんか。
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